ゆかり筆耕のブログ

私が筆耕士になるまでの『経緯』と『大事なこと』とは?

これから筆耕のお仕事に就きたいとお考えの方が、現役の筆耕士が
どういった経緯で筆耕士になったのか参考にされると思うので綴って
みようと思います。

名古屋マリオットアソシアホテル

前職はホテルマンでした。
英米語科を卒業し、ホスピタリティやマナーの勉強をしたいと思い
ホテルに就職しました。

しかし2年目の時、阪神淡路大震災に遭い神戸三宮にあったホテルは
営業停止となり、従業員は全て解雇になったのです。

当時お世話になっていた料理長が、他の料理人達を連れて大阪のある
ホテルに行くことになったので私も一緒にと誘って下さったのですが、
隣の大阪といえども南部の方で( ※ 地元は兵庫県伊丹市です。)通勤
できる距離ではなかったので、迷ったのですが結局お断りしました。

距離ももちろん問題でしたが、地震直後で仕事のことなど考える気に
なれず、しばらくのんびりやっていこうかな…とそういう気でいた
のです。

 

なんとなく『実務書道師範講座』を受けてみました。
新聞で『実務書道師範講座』を何度も目にし、なんとなく気になったので
その部分を切り抜き、しばらく眺めているうちに受けてみたいと思い、
申し込みました。

約1年通信で受講して師範を取りました。
単純に『実務書道とはどういったものかを知る』『師範免許を取得すること』
だけが目的でしたので、師範を取ったから筆耕の仕事をしようとは1ミリも
考えていませんでした。

 

偶然『筆耕募集』の広告を見つけました。
タウンページで写真館を探していたのですが、ぱらぱらとページをめくって
いると巻末に『毛筆書きができる方募集』という毛筆筆耕専門の会社の小さな
広告を偶然見つけたのです。

当時のタウンページは現在のようなカラフルなものではなく、本当に黄色と
黒だけの印刷で、しかも絵などはなく文字だけの見るからに怪しげな雰囲気の
広告でした(笑)

しかし、なんとなく気になるので、何度も何度もその怪しげな広告を見ていた
のです。

 

その筆耕会社にアプローチしてみました。
『筆耕のお仕事をしたいのですが、どのようにすれば良いでしょうか?』
と電話してみたのです。
社長が出ました。
『毛筆で履歴書を書いて送ってください。』と。

半紙に履歴書を書いて送りました。
今見たとしたらあり得ないぐらい汚い字だと想像できますが、その当時は
『まぁイケてるやろ。』と思ってました(笑)

しかし、採用されるはずがないと端から落ちるつもりだったので、ろくに
練習もせず一発で書いたものを送ったのでした。

 

面接に呼ばれ、採用されました。
履歴書を送ってからすぐにその筆耕会社から面接に来るように電話が
あったのです。

一般的な採用面接でよくあるように、面接に呼ばれたからといって採用が
決まったわけではないと思い込んでいたので、『どうせ呼ぶだけ呼んで
落とすんやろう。』と信じて疑いませんでした。

また、落ちることが前提ではあったのですが、落ちたあとのことも特に
何も考えておらず、『違う仕事を探せばいいや。』と呑気に構えていたのです。

しかし、面接での忘れもしない社長の第一声。

社長『書くこと好き? この仕事はねぇ、書くことが好きじゃないとできません
からねぇ、どう?できる?』

私『あ、はい…』( ← 頼りない返事をしたような気がします。)

社長『で、いつから来れます?』

私『え…?あのぉ…私、採用ですか?』

社長『えぇ、そうですよ。』( ← なぜ採用なのかは聞けず。)

私『ありがとうございます。じゃあ、明日から来ます。』
( ← って、『やる気まんまんかよっ!!』と自分でツッコミました。笑 )

 

予定外で思いがけず筆耕会社に入ることができたわけですが、こうやって
改めて自分が筆耕士になった経緯を辿ってみますと、『なんとなく』と
いう言語化し難い、説明し難い感覚に動かされていると感じるのです。

 

『なんとなく』は天からのGOサイン
『なんとなく』という感覚は潜在意識(心の声)で、天からのGOサイン
なのだと思います。
心の声に従ってアクションを起こしていると大抵その人にとって良い
選択だと言える気がします。( ※ これも『なんとなく』ですが。 )

自分から筆耕のお仕事を求めて行ったわけではなく、向こうから自然と
やって来た感覚でもあるのですが、よくよく考えてみると『なんとなく』
という直感に従って動いた結果、私にとって天職なのであろう筆耕士に
なったのは必然的でもあったと今では思えます。

招待状宛名書き 

アクションを起こすことの大事
そう言えば、先日当店に『筆耕のお仕事をしたいので履歴書等を送りたい。』
というお問い合わせがありました。

しかし、『当店は個人事業であるために筆耕士の募集は行っておらず、一人
では請け負えないほどの依頼があった場合は、同業に応援を頼む方針でいます。』
という返事をしました。

ここで大事なのは、
募集していても、していなくても当たってみるということ。
例え失敗に終わっても、次はどうすれば良いか考えることができます。
教訓に変えることができます。
やらないで失敗するより、やって失敗する方が良いのです。

なかなか採用が困難な筆耕業界ですが、ダメ元でもアクションを起こすことで
可能性は広がります。
私のようにまぐれで入れることもあるのです。
長い目でみれば、何事も無駄で無意味なことなど何もないのです。

筆耕のお仕事で大事なことはたくさんありますが、『強い精神力』は必要
です。
なぜなら、いつ、どんな、どれくらいの量のお仕事が来るかわからない、
自分にできるのか、納期に間に合うのか、様々な不安を抱えていては良い仕事は
できない、良い字は書
けないからです。
文字はその人の内面がダイレクトに表れてしまうのです。

『自信を持ち、強気でいること』は筆耕の世界では大きな武器であり、技術が
身に付き上達しやすい要素であるとも言えます。

募集していないところへあえてアプローチしてみることは、強い精神力の
表れだと思うのです。

 

阪神淡路大震災から21年
阪神淡路大震災(1995/1/17)から21年になります。
不謹慎な言い方になるかもしれませんが、震災がなければ好きな書くことを
仕事にすることはなかっただろうと思います。
大きな大きな犠牲の上に今の自分が生かされていること、好きなことを生業と
していること…
肝に銘じ、使命を全うしよう…この時期になるといつもそう思います。

白い花

毛筆筆耕専門ゆかり筆耕
山岸由賀里

 

ご依頼をお受けいたしております

白い花

日頃使い慣れていない毛筆での宛名書きには時間も手間もかかります。
書式の面でも先方に失礼のないように正しく書かなければいけないとなると、それだけで大変な作業になると思います。

ゆかり筆耕では個人の方でもご依頼しやすい料金で筆耕依頼を受け付けておりますので、原稿の内容や必要とする枚数など、どうぞお気軽にご相談ください。

筆耕以外に関するお問い合わせには返答致しかねますので、予めご了承ください。
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